プロメテウス

プロメテウスとはギリシア神話に登場する、天から火を盗み人間に与えた神。彼はその罪により岩に縛り付けられ鳥に臓器を食い破られ続ける(不死の神なので翌日には復活してしまう)罰を受けた。

旧約聖書にてアダムとイブが知恵の実を食べた事でエデンを追われたのはあまりにも有名だが、その一件でサタンが蛇の姿をとったために蛇という動物は呪われてしまう。

聖書偽典(教会が正式と認めていないもの)「エノク書」にはベネ=ハ=エロヒムともグリゴリとも呼ばれる「見張る者」が登場する。
彼らは天使として人間を見張る役目を負っていたが人間の娘に恋慕し堕天し、人間に武器や化粧などの様々な知識を与えた。その結果地上にはあらゆる悪が蔓延し、更には彼らと人間との混血は怪物であったため、ついには大洪水で滅ぼされたという。
天使たちの指導者であったシェムハザは堕天の罪と知識を与えた罪で最後の審判の日まで拘留されているとされる。

おおむね地上に天の知識を授けるのは良くない事とされるらしい。実際、クルーヤが授けた浮遊術は飛空艇を生み、軍事利用されるに至ったのだから…。


【参考資料】
・『ギリシア・ローマの神話伝説』(世界神話伝説大系:35-37、名著普及会、1981年)
・『旧約聖書』
『講談社文芸文庫 旧約聖書外典 (下) 』(関根 正雄/講談社、1999年)
『天使の世界』(マルコム・ゴドウィン/邦訳版:青土社、1993年)


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