聖婚

異なる世界の者(例えば神・精霊)と人間との間の子、という構図が語られる場合、父が異なる者で母が人間という場合が非常に多い。
これは生まれた子がどちらの世界に属する事になるかという問題をはらんでいる。

多くの神話では、子は母の世界に属するものでありながら父の血筋によって特別な能力を与えられている。
人間が語る物語であるが故に英雄は人間の女の胎から生まれる事で人間の世界に属し、父親の血筋からの能力をもって人間の世界に恩恵を与えることを必要とされる。特にこれらの英雄はある一族の始祖神話として語られる事が多い。

つまり、神話的にはセシルはもとよりゴルベーザも青き星に属する存在だという事である。ゴルベーザが青き星を離れたのは非常に重大な事と言えるだろう。

なお、もしこれが父系相続社会で語られる神話で、かつ同じ世界の者同士での婚姻だった場合は話が異なる。
その場合は女を妻にする事で女の一族の力を男の一族に取り入れるという描かれ方となるため、リディアの召喚士という力はエブラーナ王家に吸収されてしまうのだろうなぁ。(「大いなる鯨」での主張と矛盾してるのは承知の上よ)

ただし、神話でなく説話・昔話では人間の男と異界の女(だいたいは動物)というペアが描かれるケースも多々。


【参考資料】
・大学の講義ノート


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