カインの「左利き」

sinister
1:縁起が悪い・不吉な
2:悪意のある・邪悪な・悪い
3:運の悪い・不幸な
4:左の・左側にある

小学館『プログレッシブ英和中辞典』第2版

英語のrightは「右」と「正しい」の意を併せ持つが、西洋社会では右は善、左は悪であるらしい。
新訳聖書「マタイ伝」第25章32〜46節では「(神が)羊と山羊を分けるように人々を右と左に分け、右の者には祝福と永遠の命を、左の者には呪いと永遠の懲罰が与えられる」という表現が見られる。
出典を失念したのでアテにしないで欲しいのだが、「(イエスを裏切った)ユダは左利きだった」という俗説もあったらしい。
パロムは「双児」の対称性を持たせたかったと解釈できるからともかくとして、カインが左利きという設定なのはこの思想を偶然にもふまえているのだろうか?

しかし、日本では左右の善悪が逆になる。日本の思想(陰陽道)では右が陰、左が陽であるため、左の方が重んじられているのである。
だから昔はお内裏様にとっての右側(つまり向かって左)におひな様を置いたし、左大臣と右大臣では左大臣の方が上位。

どうでもいいけどデジキューブさん、カインの事を「裏切った友を誰が許せるだろうか」とか「呪われた名を背負う者」とか言うの、やめてくれませんかね…。そんな薄っぺらい表現しないでよ、マジで。


【参考資料】
・『新約聖書』
『脳と心の地形図』(リタ・カーター/邦訳版:原書房、1999年)


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